デニムは綿100%——そう思っていませんか?
デニムといえば、コットン。誰もがそう思っています。ですが日本のデニム産地には、綿ではない糸を織り込んだ一枚が存在します。使われているのは、和紙から作った糸。障子やお札の素材として知られるあの和紙が、なぜ衣料の繊維になるのか。その答えは、江戸時代までさかのぼります。

紙子(かみこ)の登場
紙でできた着物があった
和紙を糸にして織った布は「紙布(しふ)」、それを仕立てた衣類は「紙子(かみこ)」と呼ばれてきました。もともとは修行僧の防寒着として使われたのが始まりとされ、軽くて暖かいことから庶民の間にも広がっていきました。

寒冷地の知恵
綿が貴重だった土地の実用衣料に
東北地方など綿花の栽培が難しい寒冷地では、和紙から作る糸が貴重な衣料資源になりました。丈夫に紙を撚り上げて織った紙布は、普段着から仕事着まで幅広く活用され、独自の織物文化として根付いていきました。

デニムへの応用
和紙糸が、最先端のデニムに生まれ変わる
その和紙糸が、国産デニムの産地でジーンズの緯糸として採用されました。古くからの知恵が、令和の一本の中に静かに織り込まれています。

DENTOラインの構造
経糸はインディゴ、緯糸は和紙。
経糸にはインディゴロープ染色された8番手のムラ糸、緯糸には和紙糸を使用した11オンスデニム。国産デニムの産地として知られる備後地区で織り上げられています。古き良き織りの技術と、新しい繊維の組み合わせによって生まれた一枚です。
一本の糸に、江戸と令和が織り込まれている。
紙子から紙布、そして和紙デニムへ。姿を変えながら受け継がれてきた一本の糸が、いま手に取れる一枚として並んでいます。
















